
クリニック経営の失敗要因と成功の秘訣を徹底解説!安定経営のための対策とは
「クリニック経営に挑戦したいけど、失敗しないか不安」
「クリニック経営がうまくいっていないけど原因がわからない」
このようなお悩みを抱えている医師の方も少なくないでしょう。失敗せず、安定した経営を手に入れるためには、コスト意識や集患、スタッフの労務管理など、これまで勤務医として働いていた先生にとっては全く別のスキルや知識が求められます。
この記事では、クリニック経営における失敗の要因や成功するためのポイント、基本対策について詳しく解説します。新規開業を成功に導くことができ、すでに開業されている方もより経営を安定させるためにもぜひ最後までご一読ください。
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目次[非表示]
- 1.日本におけるクリニック数の推移と経営の現状
- 2.クリニック経営でよくある失敗要因
- 2.1.失敗要因1. 患者数やリピート率の低さ
- 2.2.失敗要因2. 不十分な財務管理
- 2.3.失敗要因3. 非効率な業務プロセス
- 2.4.失敗要因4. 人材不足やスタッフの離職率の高さ
- 2.5.失敗要因5. 経営知識の欠如
- 3.安定したクリニック経営のための基本対策
- 3.1.対策1. 集患・リピート率の向上策
- 3.2.対策2. コスト削減と財務管理の強化
- 3.3.対策3. 業務効率化の推進
- 3.4.対策4. 働きやすい環境の整備
- 3.5.対策5. 経営知識・技術の習得
- 4.開業時に参考にしたい!クリニック経営を成功させるためのポイント
- 4.1.ポイント1.差別化できる自施設の特色を把握する
- 4.2.ポイント2.支払うコストを明確にし、財務シミュレーションを行う
- 4.3.ポイント3.特に人件費については入念にシミュレーションを行い、本当に必要な人数を把握する
- 4.4.ポイント4.どういう人物を雇いたいかを明確化する
- 4.5.ポイント5.算定漏れを少なくするための仕組みを作る
- 4.6.ポイント6. 地域との連携強化
- 4.7.ポイント7. 業務効率化と生産性を向上させる仕組み
- 4.8.ポイント8. 最新の医療トレンドの把握
- 5.クリニック開業時にクラウド型PACS「LOOKREC」を導入いただいた事例
- 6.まとめ
日本におけるクリニック数の推移と経営の現状

近年、急性期病院の数は減少傾向にあり、また入院可能期間にも上限が設けられているため、地域の患者の健康を支えるためにはクリニックの存在が必要不可欠です。
令和4年に報告された「医療施設(動態)調査・病院報告の概況」によれば、病院や有床一般診療所が年々その数を減らす中、無床一般診療所の数は前年から1,101施設増加しており、年々増加傾向にあります。
急速に高齢化が進んでいることを鑑みると、患者需要は高まっており、それに応じて無床診療所数も増えているように思えますが、ライバルとなるクリニック数が増加しているとも言えます。
また、クリニックにおける収益の源泉となる診療報酬のマイナス改定や、資材高騰・物価上昇なども考慮すると、クリニック経営は以前よりも難しくなっていると言えるでしょう。
実際に、無床一般診療所の数が増える中、令和3年の1年間で廃止・休止した一般診療所の総数は7,281施設も存在しています。
さらに、帝国データバンクの報告によれば、2024年における診療所の倒産、もしくは休業・廃業・解散の件数は過去最多を更新しており、他業種と比較して廃業率は決して高くないものの、一部のクリニックでは経営困難に陥っているのが現状です。
クリニック経営でよくある失敗要因

クリニック経営における、よくある失敗要因は主に下記の5つです。
- 患者数やリピート率の低さ
- 不十分な財務管理
- 非効率な業務プロセス
- 人材不足やスタッフの離職率の高さ
- 経営知識の欠如
失敗要因1. 患者数やリピート率の低さ
クリニック経営の失敗要因として、患者数やリピート率の低さが挙げられます。
クリニックにおいては、患者が受診することで発生する医療費こそが売り上げのほとんどを占めるため、患者数やリピート率は経営に直結する要因です。
開業する立地の利便性や競合するクリニックの数はもちろん、実際に受診した患者の満足度や提供する医療・サービスの質など、多くの要因が影響します。
仮に集患に成功して患者数が増えても、その結果待ち時間が増えてしまってはリピート率が低下するため、注意が必要です。
失敗要因2. 不十分な財務管理
クリニック経営の失敗要因として、不十分な財務管理が挙げられます。いかに売上を上げても、支出が過剰な場合、利益を残すことができないためです。
クリニック経営には人件費をはじめとし、医薬品・材料費などの原価・広告宣伝費・水道光熱費・雑費など、さまざまな支出が生じるため、安定した経営のためには適正に支出を管理する必要があります。
特に、開業時に過剰な医療機器への投資を行ってしまうと、その後資金繰りに苦労するため、初期は必要最低限の医療機器だけに絞ることも重要です。
下記の記事では、開業時に医療機器導入で失敗しないための注意点を詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
失敗要因3. 非効率な業務プロセス
クリニック経営の失敗要因として、非効率な業務プロセスが挙げられます。
業務プロセスの効率が悪いと患者の待ち時間が長引いたり、提供できる医療の質が低下し、結果として患者離れにつながるためです。
予約管理や問診入力、医薬品の在庫管理、カルテやオーダリングシステムの操作性など、効率性を見直すべき業務は多岐に渡ります。これらの業務効率が悪いとスタッフに無駄な労力がかかり、離職率増加にもつながるため注意が必要です。
失敗要因4. 人材不足やスタッフの離職率の高さ
クリニック経営の失敗要因として、人材不足やスタッフの離職率の高さが挙げられます。
離職率が高く、クリニックが人材不足に陥ると、業務が回らなくなる上に、新たに採用したスタッフへの教育も行き届かなくなるため、提供できる医療やサービスの質が低下します。
新規スタッフの獲得や離職率低下のために、労務環境や人間関係、賃金などを見直すことが重要です。なお、最近では集患や新規スタッフ獲得のためにSNSを活用するクリニックも増加傾向です。
失敗要因5. 経営知識の欠如
クリニック経営の失敗要因として、経営知識の欠如が挙げられます。
医師としてどんなに優秀であっても、経営者としては素人であるため、開業初期は経営に対する知識や経験が圧倒的に不足しており、経営判断の遅れや財務状況の悪化を招く可能性があります。
財務・税務・会計などの知識はもちろんのこと、行政対応やマーケティング、スタッフの労務管理に至るまで、安定した経営のためには多くの知識が必要です。
自身で知識を身につける時間がない場合は、外部の専門家に業務委託することも1つの手段です。
安定したクリニック経営のための基本対策
クリニック経営の基本対策として、下記のような対策が挙げられます。
- 集患・リピート率の向上策
- コスト削減と財務管理の強化
- 業務効率化の推進
- 働きやすい環境の整備
- 経営知識・技術の習得
対策1. 集患・リピート率の向上策
安定したクリニック経営のためには集患・リピート率の向上が必要不可欠であり、そのためには下記のような対策が必要です。
- 競合するクリニックの少ないエリアでの開業
- 開業エリアの患者層のリサーチ
- HP開設やSNS発信など、ネット戦略の強化
- 丁寧な診療によるリピート率の向上
- 高齢者でも使用しやすい予約管理システムの導入
以前までは駅や公園に看板を出して広告していましたが、近年ではネットを駆使した集患が主流となりつつあります。
せっかく集患できても、診療の質が低ければリピート率が低下するため、診療や医療接遇の質にも注意が必要です。
対策2. コスト削減と財務管理の強化
安定したクリニック経営のためにはコスト削減と財務管理の強化も重要であり、そのためには下記のような対策が必要です。
- 人件費の見直し
- 医薬品等の仕入れ値の見直しや、在庫の適正管理
- ガス光熱費などの削減
- 広告費の費用対効果の見直し
- 過剰な設備投資の見直し
上記の中でも特に注意すべきは人件費の見直しであり、過剰に削減すると人材が流出するリスクが高まります。
その結果、患者満足度が低下すればかえって経営が不安定になるため、削減する場合は対医業収益比率20〜25%程度を目安にしましょう。
対策3. 業務効率化の推進
クリニック経営の基本対策として、業務効率化の推進も挙げられます。
業務効率化によってスタッフの労働負担軽減、残業代の軽減、患者満足度の向上など、多くのメリットが享受されます。業務効率化の具体例は下記の通りです。
- 予約管理システムやオーダリングシステムなどのITツール導入
- 就業マニュアルの策定
- 業務の外部委託
ITツールの導入や業務の外部委託にはコストもかかるため、導入する前には必ず必要性や費用対効果を確認し、導入後も定期的に見直しましょう。
対策4. 働きやすい環境の整備
安定したクリニック経営のためには、スタッフが働きやすい環境の整備も必要です。
働きやすい環境が整備されていない職場はスタッフの流出、もしくはモチベーションの低下につながり、医療の質を維持できなくなることで患者離れにもつながります。下記のような環境の整備が望ましいです。
- 役割分担を徹底し、適切な労働負担や労働時間を保つ
- スタッフ間で密にコミュニケーションをとり、エンゲージメントを向上させる
- 月間や年間での目標を立て、仕事へのやりがいを高める
- 老朽化した施設や機材、システムはできる限り新しくする
- 業務内容に見合った報酬を与える
スタッフの流出を防ぐためには、給与や労働時間などの条件面だけでなく、話しやすい環境作りやキャリアアップのための制度構築などにも配慮することが重要です。
対策5. 経営知識・技術の習得
クリニック経営の基本対策として、経営知識・技術の習得も挙げられます。
どんなに立地や設備の整ったクリニックでも、それを生かすも殺すも経営者の手腕次第であり、経営知識・技術の習得が必要不可欠です。下記のような方法が挙げられます。
- 自ら勉強する
- 他のクリニック経営者に相談する
- クリニック経営の研修会やセミナーに参加する
- 外部のコンサルタントに相談する
仮に経営が軌道に乗った後でも、診療報酬や医療法など、さまざまなルール改定が起こるため、知識のアップデートは必要不可欠です。
開業時に参考にしたい!クリニック経営を成功させるためのポイント
クリニック経営成功のためのポイントは下記の8つです。
- 差別化できる自施設の特色を把握する
- 支払うコストを明確にし、財務シミュレーションを行う
- 特に人件費については入念にシミュレーションを行い本当に必要な人数を把握する
- どういう人物を雇いたいかを明確化する
- 算定漏れを少なくするための仕組みを作る
- 地域との連携強化
- 業務効率化と生産性を向上させる仕組み
- 最新の医療トレンドの把握
ポイント1.差別化できる自施設の特色を把握する
クリニック経営成功のためには、まずは他と差別化できる自施設の特色を把握しましょう。周囲のクリニックにない強みを持つことで差別化でき、それによってより患者に選ばれやすくなるためです。
差別化できるポイントとしては、立地や提供する医療の内容、最新の医療機器、患者体験、ブランディングなど、さまざまな点が挙げられます。
周囲のクリニックのこともリサーチし、自身のクリニックだけの強みを生かせると良いでしょう。
ポイント2.支払うコストを明確にし、財務シミュレーションを行う
クリニック経営成功のためには、コスト管理の徹底が必要不可欠です。どんなに売り上げを伸ばしても、無駄なコストが嵩めば経営状態は安定しません。
人件費や設備投資、医薬品等の仕入れ値、広告宣伝費など、クリニック経営にはさまざまなコストが発生するため、支払うコストを明確にし、財務シュミレーションを行うことが重要です。
ポイント3.特に人件費については入念にシミュレーションを行い、本当に必要な人数を把握する
特に人件費については入念にシミュレーションを行い、本当に必要な人数を把握することが重要です。クリニック経営において、人件費は最大の支出であり、過剰な人件費は経営に大きく影響するためです。
一般的に、無床クリニックの人件費率(人件費÷クリニックの総収入)は25%未満が望ましいとされるため、計算して大幅に超えている場合は一人単価、もしくは雇用人数を見直す必要があります。
一方で、人件費を過剰に削減するとスタッフのモチベーション低下や離職につながるため、慎重な判断が求められます。
ポイント4.どういう人物を雇いたいかを明確化する
クリニック経営を成功させるためには、どういう人物を雇いたいか明確化することも重要です。
クリニックのニーズに合わない人物や、経営理念を共有できないスタッフを雇用しても、提供する医療の質や患者満足度は向上せず、ひいては無駄な雇用やコストが発生する可能性もあるためです。
雇う人の職種や雇用形態(正規か非正規か)、スキルの有無はもちろんのこと、クリニックの理念や使命、目的、信念などに共感できる人物か、見極めることが重要です。
そのためにも、求人や面接を行う前に必ず自身のクリニックのニーズや経営理念を確認しておくと良いでしょう。
ポイント5.算定漏れを少なくするための仕組みを作る
クリニック経営成功のためには、算定漏れを少なくするための仕組み作りも重要です。
クリニックの売上の源泉は診療報酬であり、行った診察や検査・治療に対する保険点数を算定することで初めて診療報酬を受け取ることができるため、算定漏れは経営にとっても大打撃です。
算定漏れを減らす仕組みとしては、診療情報から自動算定可能なレセプトシステムの導入やレセプトのダブルチェック、診療報酬に関するスタッフのリテラシー向上などが挙げられます。
診療報酬は定期的に改訂されるため、改訂後の情報共有も必要不可欠です。
ポイント6. 地域との連携強化
クリニック経営を成功させるためには、地域との連携強化も必要不可欠です。
クリニックの主な役割は地域住民の健康を守ることですが、単一のクリニックだけではできることに限界があります。
近隣にある他診療科のクリニックや急性期病院、薬局、リハビリ施設など、他の医療機関と連携することが、結果として患者満足度の向上や提供する医療の質の向上につながります。
また、健康相談やイベント参加など、クリニック外で地域医療に貢献する方法もあるため、これを機に地域医療連携を意識してみると良いでしょう。
ポイント7. 業務効率化と生産性を向上させる仕組み
業務効率化や生産性向上も、クリニック経営成功の秘訣です。
業務効率化や生産性向上によって、スタッフの労働負担が軽減し、質の高い医療やサービスを提供できるようになります。電子カルテや診療システムなどのITツールの導入、業務のマニュアル化や外注、業務分担の最適化など、方法はさまざまです。
例えば、クラウド型データプラットフォームのLOOKRECを利用すれば、クラウド上での画像保存・共有、電子カルテとの連携など、大幅な業務効率化を図れます。
さらに、放射線専門医による画像所見の遠隔読影も可能で、医療の質を向上させることもでき、低コストでもあるため、特に開業初期のクリニックにはおすすめです。
ポイント8. 最新の医療トレンドの把握
クリニック経営を成功させるためには、最新の医療トレンドを把握しておくことも重要です。
医療業界では常に知識や知見がアップロードされており、また提供するサービスのトレンドも適宜変わっていくため、これらのトレンドを把握しておかなければクリニックの成長や発展は望めません。
例えば、最近ではSNSを駆使した集患やITツールによる予約システムを導入するクリニックも増えており、集患やリピート率向上に成功しています。
こういったトレンドをしっかり捉え、自院の患者層や雰囲気に合ったサービス・システムを積極的に取り入れていくことも成功の秘訣です。
クリニック開業時にクラウド型PACS「LOOKREC」を導入いただいた事例
クラウド型PACS「LOOKREC」は、デジタル画像をクラウド上で保存・共有・取得するための医療用画像管理システムです。
低コストで業務効率化や空間的コストの削減を目指すことができるため、これから開業する方にも、すでに開業している方にもおすすめです。
ここでは、クリニック開業時にクラウド型PACS「LOOKREC」を導入いただいた事例を3つ紹介します。
事例1. 松戸常盤平おなかと胃大腸カメラと内科のクリニック 様
新規開業にあたり、クラウド型電子カルテと相性のいいクラウド型PACSを探されていたという事例です。
当クリニックでは、レントゲンやエコー、さらに内視鏡所見の画像まで全てをLOOKRECに保存し、電子カルテと連携することで診療に役立てています。
さらに、画像を容量無制限に管理でき、旅行先や自宅でも場所にとらわれず閲覧できるLOOKRECの自由度の高さに魅力を感じていただけたようです。
事例2. 松戸脳神経外科Dr’sクリニック 様
こちらも新規開業にあたり、電子カルテ・PACS・予約システムをスムーズに連携できるクラウド型システムを探されていた事例です。
当クリニックでは、据え置き型(オンプレミス型)と比較検討した結果、コスト面・セキュリティ面・メンテナンス面などあらゆる面でクラウド型にメリットがあると感じ、さらに数十社の比較の中で唯一LOOKRECだけが「完全クラウド型」であったことが決め手となりました。
オンラインで患者情報を遠方の医師とも共有できるため、病診連携されている新東京病院の医師ともこれまで以上にスムーズに連携できるようになったと、メリットを感じられているようです。
事例3. ばば脳神経外科・救急科・健診クリニック 様
自身の開院も含めた医療モールの立ち上げを行う中で、モール内の医療機関で患者情報を取捨選択して共有できるシステムを探されていた事例です。
モール内での情報共有においては、各医療機関が必要な情報を必要な人だけ見られるように個人情報に配慮する必要があり、そのようにシステムをカスタムできるLOOKRECの汎用性に惹かれたそうです。
また、LOOKRECを利用した医療モール設計が高く評価され、2024年グッドデザイン賞も受賞されています。
まとめ
この記事では、クリニック経営に失敗する要因や、成功するための対策について詳しく解説しました。
クリニック経営には、医療の技術や知識はもちろんのこと、財務・労務・人事・マーケティングなど幅広い分野において経営者としての知識やセンスが問われます。
地域住民の健康を守り、地域医療に貢献するためにも、これから開業する方や開業がうまくいっていない方は、この記事を参考により良い経営を目指しましょう。
また、この記事ではクリニック経営に失敗する要因を紹介しましたが、実際に開業する際の流れを事前に理解しておくことで、より失敗を回避できます。下記の記事では、クリニック開業までの手順をステップごとに詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
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