クリニック集患の効果的なマーケティング施策とは?開業支援のプロがSEO・MEOを解説【セミナーレポート】

サムネイル画像_効果的なクリニック集患の施策とは?クリニック開業支援のプロがSEO・MEO対策を解説!

インターネット時代の昨今、Web集客の成否がクリニック開業後のスタートダッシュに大きな差を生みます。単にホームページを用意するだけでは十分とは言えません。Web集客にはさまざまなテクニックが必要です。

今回は株式会社SoLabo 代表取締役で税理士有資格者の田原広一氏に、Web集客のポイントとなるSEO・MEO対策についてお話を伺いました。


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セミナー登壇者_株式会社SoLabo代表取締役・税理士有資格者 田原広一

目次[非表示]

  1. 1.ホームページを作っただけでは集患できない?クリニックが実践すべきSEO対策とは
  2. 2.ユーザーが求める情報で集患数をアップ、SEOコンテンツ作成のコツ
  3. 3.地図検索で差をつける、クリニック向けMEO対策のポイント

ホームページを作っただけでは集患できない?クリニックが実践すべきSEO対策とは

googleはどんなものを検索上位にあげたいのか?_セミナー資料

━━  クリニックの開業後は、効率よく集患数を増やすことがテーマになります。集患方法の一つがWebの活用ですが、どのように活用すれば良いのでしょうか。

田原広一氏(以下、田原) Webを活用した集客にはさまざまな施策がありますが、今回はSEOとMEOについてお話します。

実際に私の会社ではWeb集客を活用することで、毎月2000件の問い合わせが来るようになりました。正しい方法には再現性があるので、しっかりと理解すれば失敗する確率を下げることができます。


━━  Web集客においてSEOという言葉はよく耳にしますが、そもそもSEOとは何なのでしょうか。

田原 SEOは「Search Engine Optimization」の略で、検索エンジン最適化を意味します。例えばインターネットで検索をすると検索結果がズラッと並びますよね。この検索結果の順位を上げるための施策がSEO対策になります。

まず理解していただきたいのが、ホームページを作っただけでは集客できないという点です。例えば、どんなにカッコいい名刺を作っても、手元に持っているだけでは仕事に繋がりません。交流会に参加して名刺を配ったり、提携先に名刺を渡して配ってもらったりするといった工夫が必要です。

Webにおいても同様の工夫が必要になります。ホームページを作っただけでは、単にWeb上に存在するというだけです。ピンポイントで病院名を検索すれば一位を取ることはできるかもしれませんが、その他の流入を考えるのであればホームページを見てもらうための工夫が必要であり、その工夫がSEO対策になります。


━━  検索順位を上げることで目につきやすくするための工夫がSEO対策ということですね。具体的にどのようなことをすれば良いのでしょうか。

田原 SEO対策はイコールGoogle対策だと思っていただいて結構です。日本における検索エンジンのシェアは90%近くがGoogleとYahooです。YahooはGoogleのアルゴリズムと同じだと言われているので、Googleで上位を取ることができれば自然にYahooの順位も上がります。

では上位を取るためにはどうすれば良いのか。Googleが公表している自社のポリシー「Googleが掲げる10の事実」にそのヒントがあります。

詳細な内容についてはぜひ検索して調べてみてください。この10個のポリシーに反したことをすれば、それはGoogle対策として間違った考え方をしていることになります。


━━  特に重要視すべき項目はありますか?

田原 10個のポリシーの中でSEO対策で重要なのが1番目と2番目です。

まず1番目「ユーザーに​焦点を​絞れば、​他の​ものは​みな​後から​ついてくる」。
Googleを使っているのは人間、つまりユーザーです。ユーザーの考え方に着目して対策を取れば、他のものは後からついてくると言っています。

分かりやすく説明すると、Googleを使う人は何かを調べたい人です。つまりユーザーが満足するコンテンツを作れば、より多くのユーザーに見てもらえるようになります。ユーザーが増えれば売上につながる可能性も高まります。SEO対策をすることは、ユーザー満足度を高めていくことと同義だと覚えておいてください。

2番目には「1つの​ことを​とことん極めて​うまく​やるのが​一番」とあります。
例えば本を書くことをイメージしてみてください。本には「いろいろなテーマを広く浅く」書いた本と「一つのテーマをとことん深堀り」した本の二種類がありますよね。

情報が溢れている今の世の中において、広く浅く書かれたコンテンツをGoogleは良しとしていません。SEO対策を成功させたいのであれば、一つのことを深く極めて情報発信をした方が上手くいくということです。

例えばインフルエンザの情報発信をすると決めたら、極めるまでインフルエンザをテーマにしたコンテンツを書き続けます。ここでインフルエンザだけでなく、おたふくや癌のことをちょこちょこと書いても上手くいくことはありません。

情報発信に慣れていないと、思いついたことをポンポンと書いてしまうケースが多々あります。
これは「1つのことをとことん極めて」というGoogleのポリシーに反していますから、成功する確率は非常に低いでしょう。偶然、検索上位に上がることはあっても必然性はないということです。

ユーザーが求める情報で集患数をアップ、SEOコンテンツ作成のコツ

SEOのユーザーニーズ_セミナー資料

━━  Googleの掲げているポリシーに則る方が有利だということは分かりましたが、それだけでユーザー満足度を上げるのは難しそうです。具体的な方法はありますか。

田原 そもそも皆さんはどのようなときにGoogle検索をするか考えてみてください。多くの場合「引っ越ししてきたので近くの病院を探している」「脱毛したいがコストはどのくらいかかるのか」といった疑問や不安を解消するために検索をしていると思います。この疑問や不安の解消につながる情報が見つかれば、ユーザーは満足しますよね。

以前は「スタッフブログのような雑記を毎日更新することが重要だ」と言われたこともありますが、今の時代ではそれは通用しません。自分が書きたい物を書いてもユーザーは見てくれない、ユーザーが読みたいものを書くことが重要です。


━━  ユーザーが読みたいものを知る方法はあるのでしょうか。

田原 キーワードツールというものがあります。
例えばインフルエンザに関する情報発信をする際に、何も考えずにインフルエンザのことを書いても検索上位を取ることは難しいでしょう。そこでキーワードツールを使うと、ユーザーがどのようなキーワードで検索しているのかが分かるようになります。

例えば「インフルエンザ+薬」「インフルエンザ+流行」のようにプラスアルファのワード、サジェストワードと呼びますが、これがどのくらいの頻度で検索されているかを一覧にしてくれるツールがあります。

SEO対策では、ユーザー満足度の高い情報発信が必要だと言いました。
インフルエンザをテーマに記事を書く場合、闇雲に書くよりも、まずはキーワードを調べ、どのようなサジェストワードが求められているかを把握することが必要です。

例えば「インフルエンザ+待機期間」というワードを調べている人が月に数万人いることが分かれば、その悩みにフォーカスした記事を書くことで、単にインフルエンザをテーマにした記事よりも有益な情報を届けられますよね。

まとめると、まず特定のキーワードで情報発信をする場合、ツールを使ってサジェストワードをあぶり出します。ワードごとにニーズが異なりますから、それぞれのニーズごとにユーザー満足度の高い情報を発信します。ユーザー満足度を高めるためには、そのテーマで上位表示されている記事を参考に、より良い内容の記事を丁寧に書くことです。これで検索上位を狙えるようになります。

なお、キーワードツールには有料・無料のものがあります。検索ボリュームを知りたい場合は有料ツールを使う方がおすすめです。


━━  良質なコンテンツを書くだけで集客や売上などにつながるものでしょうか。

田原 もちろんキーワードには「売上に近いワード」と「遠いワード」があります。
例えばインフルエンザをテーマに記事を書くときに「インフルエンザ+薬」というキーワードであれば、病院や薬局にとって仕事につながりやすそうです。

一方で「インフルエンザ+待機期間」は情報としては重要ですが、医師の仕事に直接つながりそうにありません。このように売上につながりやすい、つながりにくいキーワードというものは存在します。

もちろんGoogleのポリシーである「1つのことをとことん極めて」を忘れてはいけません。
最終的には売上につながらなそうなテーマについても書く必要があります。

したがって情報発信をするときは、テーマに関連するキーワードを洗い出し、そこから売上に近いキーワードを優先的に情報発信する方が良いでしょう。
目標としては30個のキーワードを出し、そのキーワードから連想されるニーズを考えて情報発信をすることです。これで偶然に頼らず、必然的に上位表示ができるようになります。


━━  質の高い記事を書く以外にSEO対策で押さえておくべきポイントはありますか。

田原 クリニックや病院の場合「地域名+内科」のようなキーワードで上位表示が取れれば売上を獲得しやすくなります

Googleで検索してみると分かりますが「地域名+内科」で調べると、検索結果に地図が表示されます。検索ワードに地域名が入る場合は、距離や口コミといった比較ニーズがありそうですよね。したがって、マップに表示された方がユーザーは比較検討がしやすくなり、集客にとって有利になります。

ただ、地域名に関してはホームページを作った際に、トップページやサービスページのタイトルに地域名を入れておくだけで十分です。記事の中で地域名をたくさん入れたからといって、検索順位が上がるわけではないことに注意してください。


━━  検索上位に表示されるために他にも重要なことはありますか。

田原 もう一つ重要なのがドメイン戦略です。ドメインとはWebサイトの場所を示す住所のようなものです。一つのドメインを使い続けることで、ドメインパワーが蓄積されていきます。ドメインパワーが強い方が検索上位に表示されやすくなります。

特に多店舗経営をする場合には、このドメイン戦略が有効になります。
新たに支店を作った際に、支店のサイトを既存のドメインに紐づけるか、新たなドメインを取得するかで結果は大きく変わります。新たなドメインはドメインパワーが0から始まりますから、既存ドメインに蓄積されたパワーに勝つことはできません。

既存のドメインへの紐づけは、パソコンのフォルダをイメージすると分かりやすいでしょう。「◯◯クリニック」という大フォルダ(ドメイン)があり、その下に「A支店」「B支店」と言った形で中フォルダ(サブドメイン)がぶら下がっているイメージです。新たにサブドメインを追加しても、大元のドメインと紐づいているので、そのドメインパワーをフルに活かすことができます。

新たに支店やサービスを作ったときに、新ドメインを使おうと考える方は多いですが、実は一つのドメインにサブドメインの形でぶら下げていく方が強いということを覚えておいてください。

地図検索で差をつける、クリニック向けMEO対策のポイント

MEOのユーザーニーズ_セミナー資料

━━  SEOの他にMEOという言葉もありました。MEOとはどのようなものでしょうか。

田原 MEOとは「Map Engine Optimization」の略で、マップエンジン最適化を意味します。
「地名+内科」のようなワードで検索すると、検索結果にマップが表示されることはお話しました。このマップの上位に表示させる施策がMEO対策になります。

基本的にマップには検索結果が三つしか表示されませんので、この上位三位までに入るような施策が必要です。

またマップに関しては調べる場所によって順位が変わるとも言われています。現在いる場所と、10km離れた場所では検索結果が変わる可能性があります。これは携帯の位置情報から近いところが表示されるようになっているので、調べる場所によって順位が変動するということを知っておいてください。


━━  駅に近いクリニックの方が有利になることはあるのでしょうか。

田原 そうですね。駅に近い病院の方が上位表示されやすい傾向にあります。やはりその地域の病院を調べる人は、電車を使って移動することも多いですから、駅に近い方が優先されるようです。

もしマップを活用するのであれば、駅の近くに店舗を構えたほうが有利になることも覚えておいてください。


━━  MEO対策はどのように行えば良いのでしょうか。

田原 こちらも「Googleが掲げる10の事実」の通りです。ユーザー満足度を高めるということですね。マップの利用者が何を求めているかが分かれば、自ずと何をすべきかが見えてきます。

例えば「秋葉原+内科」で調べている人は何を知りたいのでしょうか。「駅から近い内科に行きたい」「秋葉原で腕の良い内科に行きたい」「ベテランの先生に診てもらいたい」などさまざまなニーズがあると思いますが、結局のところ「比較して、より良い内科に行きたい」というニーズに集約されます。

飲食店の比較サイトをイメージしていただくと分かりやすいのですが、上位に来ている飲食店は口コミが多く、写真もたくさん掲載されています。こういった比較材料となる情報が多ければ多いほど上位に来やすくなります。ただ前述の通り、検索する場所によって検索順位は変動するので、必ずしも一位が取れるわけではないことに注意してください。


━━  MEO対策で自身で情報を登録することはできるのでしょうか。

田原 Google検索やマップに店舗情報を表示できる「Googleマイプロフィール」というサービスがあります。基本的にマップで発信できる情報は、自分で発信する情報とユーザーが発信する情報の二つしかないので、自分で発信できる情報は可能な限り全部設定しておくと良いでしょう。

口コミについても、協力してもらえそうなユーザーには積極的に協力していただくと、それが資産として蓄積されていきます。

MEO対策はSEO対策に比べるとできることが限られています。解説しているサイトも多いので、一通り目を通して、その通りに実施することで着実に成果が出やすくなります。

SEO対策もMEO対策も、Googleの考え方を理解し、時間をかけて正しい努力をすれば、ユーザー満足度が上がり、上位表示されるようになります。
​​​​​​​広告と違って即効性はありませんが、日々の努力が数年後の成果に結びつくと信じて、地道に進めていただければと思います。


━━  SEO・MEO対策に近道はないということですね。本日はありがとうございました。


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なおクリニック開業に関しては以下の記事でも解説しています。これらもぜひ参考になさってください。

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執筆者:エムネス マーケティングチーム
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