【サムネイル】セミナーレポート_健診機関LOOKREC活用

健診結果の返却を大幅短縮!クラウドシステムの活用で医療DXの課題を解決

医師の働き方改革・医療DX…医療機関を取り巻く環境は激変しています。アナログな運用は生産性が低下するだけでなく、人材流出や顧客満足度低下といった課題を引き起こしかねません。

本記事では、エムネスの内藤氏に、デジタル変革の必要性と医療機関が直面する4つの課題、さらにクラウド型DICOMデータプラットフォーム「LOOKREC」を導入することで、健診業務の返却時間が劇的に短縮された事例をインタビューしました。

健診結果の返却に3週間かかる現状が、どのように最短2~3日での返却が叶うのか。場所を選ばず、強固なセキュリティを担保しながら、いかに効率的な運用を実現するのか。

デジタル化による健診業務の効率化としてぜひ参考にしてください。

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セミナー登壇者_診療放射線技師_内藤洋俊

なぜDXが不可欠なのか、医療機関が直面する4つの課題

健診×医療DXセミナー資料_医療機関を取り巻く環境の変化

――医師の働き方改革や業務改善、医療DXなど、医療機関を取り巻く環境は変化していますが、具体的にどのようなポイントがあるのでしょうか。

内藤洋俊(以下、内藤) 大きく四つのポイントがあります。一つ目はテクノロジーの進化に伴い、受診者や患者などの個人が簡単に情報を取得できるようになったことによる「顧客行動の変化」です。

今までは「自分が住んでいる地域の最寄りのクリニックに足を運ぶ」ことがほとんどでしたが、現在は受診者自身が情報を取得して医療機関を選ぶ時代になっています。その中で顧客が特に重視しているのが体験に対する満足度です。

――次のポイントは何でしょうか。

内藤 二つ目のポイントは「コンプライアンスの厳格化」です。医師の働き方改革(2024年問題)や医療機関へセキュリティ問題などが挙げられます。大阪の医療機関が不正アクセスを受け、非常に大きな被害が発生したのは記憶にも新しいのではないでしょうか。

三つ目は「労働力の流動化」です。特に放射線診断専門医はもともとの母数が少ないため、医師のリソース確保が問題になります。また医療機関に努めている技師が当社のような一般企業に転職するケースも増えていることも考えると、医療機関側の労働環境を整備し、より多くの方が一日でも長く働ける環境を作ることが必要です。

――最後のポイントを教えてください。

内藤 四つ目は「テクノロジーの活用」です。ビジネススピードについていける環境を整えるためには、デジタルテクノロジーの活用は避けて通ることができません。テクノロジー活用にしっかりと取り組めるかどうかは、今後の持続的な成長に直結すると考えています。

――逆に言うと、デジタルテクノロジーを活用できず、ビジネススピードについていけない医療機関の成長は難しいということですね。

内藤 実際にテクノロジー導入が進んでいない医療機関の話を聞いてみると「紙の運用が最も効率がよい」「この業務は自分にしかできない」「初期投資をした手前、あと5年間は現行システムを使わなければならない」「クラウドサービス導入はセキュリティポリシー的に厳しい」「ネット環境が不安定なので読影画像を手渡ししている」「健診の結果を受診者に返却するのに3週間かかる」などの課題が上がってきました。

――そうは言っても慣れ親しんだ今の運用を急に変えるのは大変そうです。

内藤 もちろんその通りです。今の環境だけを見れば、現行システムは非常に使い勝手よくカスタマイズされているので、それを変えるのには抵抗があると思います。しかし今の時代についていくのであれば、世の中に広がっているデジタルサービスを取り入れていく柔軟さも必要です。

ビジネスを取り巻く環境は非常に目まぐるしく変化しているので、変わることができるタイミングで運用を変えていかないと、将来的に時代に追いつくことはできないでしょう。

3週間の返却期間が3日に短縮!デジタルが変える健診業務

健診×医療DXセミナー資料_健診業務の一般的な運用-before

――今回のメインテーマである「デジタル世代の健診業務改善」についてお話を聞いていきたいと思います。まず一般的な健診業務のフローはどういった感じなのでしょうか。

内藤 巡回バスや検査装置で撮影した画像はDICOM通信やUSBメモリを使って一旦画像を移動します。そこからVPNを使った専用回線で画像を送って読影医に読影を依頼、デジタル化が遅れている施設であればUSBメモリと読影用紙を読影医に郵送します。読影医から返ってきた検査結果は、基幹システムに転記されますが、この間およそ3週間かかってしまうことがほとんどです。

――返却までの時間を短縮するためにはどうすればいいのでしょうか。

内藤 まずはアナログな媒体を介した画像やレポートの受け渡しを止めたいですよね。それから郵送にかかる日数や、郵送準備にかかる時間も積み上げれば大きなものになります。

また複数の外部読影医に依頼した場合、返却された結果を精査する必要がありますし、読影システムを健診システムに転記する手間も必要です。

巡回バスを使って検査をしている場合、2泊3日で出張対応しているケースも多いので、出張対応後に溜まった画像を処理する必要があり、結果として医療従事者の長時間労働が常態化していることも課題だと言えます。

――アナログ運用の場合、とにかく時間がかかるわけですね。

内藤 デジタルを使っていても、ネットワークを広げる場合に各拠点ごとにVPNを繋がなければならないので、その管理保守やコスト面での課題もあります。

また現状の運用では、検査結果が要精密検査だった方の二次検査先情報を収集できないので、デジタル化をして一人ひとりのデータを集めるような仕組みを作りたいといった声も上がっています。

――デジタル化にはデジタル化の課題があるわけですね。エムネスの「LOOKREC」を使うと、どのような運用になるのでしょうか。

健診×医療DXセミナー資料_健診業務の一般的な運用-after

内藤 上図のような運用に変わります。検査装置で撮った画像をPACSや検像端末に送る部分については現行と同じです。

時間短縮に大きなインパクトとなるのが、巡回バスで撮影した画像をその場でクラウド環境にアップロードできる点です。2泊3日の出張でも、その日に撮影した画像をどんどん所内にアップロードできるので、従来のようにバスが帰ってきてから画像を取り込む作業が不要になります。

――バスからクラウド環境に画像をアップロードするのには5Gを使わないと厳しいですか。

内藤 4Gでもまったく問題なくアップロードできますし、実際にバスから画像をアップロードする際にはポケットWi-Fiでの対応でも可能です。

――従来の運用では3週間近くかかっていたので、これは大幅な時間短縮になりますね。

内藤 画像をLOOKRECにアップロードし、読影医に画像依頼をするまでの運用は、スムーズに進めば撮影当日~翌日中には完了可能です。従来の運用であれば読影依頼まで1週間近くかかるケースもあるなか、LOOKRECを使えばここを一気に短縮できます。

また、当社は遠隔読影センターを保有しており、常勤で10名以上の読影医が在籍しています。アップロードした画像の読影もあわせてご依頼いただける場合は、その日のうちに当社の読影医に依頼ができるので、最短で翌営業日には結果を返却することも可能です。

――エムネスに読影依頼をした場合、依頼元の施設までの返却にどれくらいの時間がかかりますか。

内藤 依頼からシングル読影・ダブル読影をした場合でも、平均23時間(※2024年度実績)で依頼元の施設に結果を返却可能です。実際に当社では一番の繁忙期だった4月に全国から14万件ほどの読影依頼をいただきましたが、2024年度は平均23時間で結果を返却した実績があります。(※契約上は5営業日内の返却となっております)

当社に読影をご依頼いただく形はもちろん、院内・非常勤の先生方のプラットフォームとしてLOOKRECのみを使っていただくことも可能です。

――自施設での読影に加え、エムネスに読影を依頼もできるということですね。

内藤 返却された結果はLOOKREC上から帳票形式、CSV形式で出力できるので、その結果を基幹システムに取り込むことも容易です。

従来のアナログ運用では結果の返却まで3週間近く要していましたが、LOOKRECを介することですべての工程を2~3日で完了できます。アナログ運用の抱えていたさまざまな課題も、LOOKRECの導入でかなり改善することが可能です。

業務改善から顧客満足度向上まで「LOOKREC」がもたらす変革

――改めてLOOKRECの特徴を教えてください。

内藤 まずLOOKRECは100%クラウド環境で動いているので、すべての作業をブラウザで完結できます。インターネット接続できる環境さえあれば、場所を選ばず利用可能です。

またインターネットに繋がるパソコンと、Googleのアカウントさえあればすぐにでも利用を開始できるサービスですので、専用のサーバーを施設内に設置したり、拠点ごとに専用回線を用意したりする必要もありません。「これまでは地理的な制約がある中で医師のリソースを確保せざるを得なかった」というケースもなくなります。

――LOOKRECを使うにあたって、VPNは必要なのでしょうか。

内藤 LOOKRECではVPNを採用していません。すべての通信は最新バージョンの暗号化がされています。基本的にGoogle社が採用している通信を当社でも借用している形になりますので、同等のセキュリティを担保できているとお考えください。

――院内のプラットフォームとして医師に使ってもらう場合には、端末やサーバーを用意する必要はありますか。

内藤 前述の通り、インターネット接続できるパソコンがあれば、それ以上のハードを用意する必要はありません。ただしセキュリティポリシー上、どうしてもインターネットを使えない場合には、別途ネット接続できる環境が必要です。

――LOOKREC導入で労働環境の改善や顧客満足向上にもつながりますか。

内藤 現場の業務改善や業務負荷の軽減はもちろんのこと、PHR系・AI系のサービスともシームレスに連携できるので、受診者や患者の体験満足度を向上させることも可能です。

エムネスでは「身体の状況をありのままに正確にリアルタイムに伝え、世界中の医師や医療従事者が連携して、患者のために理想の医療が提供できるようにすること」をミッションに掲げています。その前段階として、医療従事者の皆様の働く環境の改善にも使っていただけるサービスとなっています。

――LOOKRECを導入することで、健診業務の環境改善に一役買ってくれそうですね。本日はありがとうございました。


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クリニックにおける健診に関しては、以下の記事でも解説しています。ぜひ参考にしてください。

執筆者:エムネス マーケティングチーム
執筆者:エムネス マーケティングチーム
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