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クリニック開業を成功させるポイントを開業医が徹底解説!セミナーレポート

クリニック開業を成功させるには「医療」と「経営」の両立が不可欠であり、さまざまな意思決定と数多くのステップを踏む必要があります。

今回は、ご自身も開業医である株式会社ENの代表取締役・鎌形博展氏にクリニック開業を成功させるための具体的なポイントを徹底解説いただきました。

4つの開業形態や初期コストの違い、リスクを抑える戦略、開業後に売上を伸ばすための攻めと守りの具体策も網羅。また、人手不足時代におけるDXや採用の極意にも触れ、開業を目指す医師への実践的な知識を紹介します。

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セミナー登壇者プロフィール_医療法人社団季邦会 理事長_鎌形 博展

新規か継承か、医師が知っておくべき「4つの開業形態」

――まずクリニックの開業にはどのような種類があるのでしょうか。

鎌形博展氏(以下、敬称略) 開業には「都会・新規」「都会・継承」「地方・新規」「地方・継承」の四つの種類があります。

新規開業は非常に魅力的な選択肢ですが、コストが高く、都会では競争も激しいため「都会・新規」で開業をする際は「勝てる見込み」をしっかりと立てておくことが重要です。

一方で「地方・新規」であれば、競争が激しくないため勝てる可能性も高いですが、土地建物の購入が絡んでくるとファイナンスが大きくなるため注意が必要です。

開業ポイントセミナー資料_開業4区分

――継承開業の場合に注意しておくべきポイントはどのようなことでしょうか。

鎌形 「都会・継承」は基本的にローリスク・ローリターンを狙いやすいですが、高値掴みには注意が必要です。一方の「地方・継承」は大幅黒字の施設を割安で買えるケースもありますが、医師採用が難しいので院長として地方に骨を埋める覚悟が求められることがあります。

――医師やスタッフの採用が難しい部分をDXで補うことはできないのでしょうか。

鎌形 業務効率化という観点においてDX化は欠かせませんが、場合によってはDXをしない方がよいケースもあり得ます。例えば「都会・新規」であれば積極的にDXをしてもいいと思いますが、「地方・継承」だとITに不慣れな人も多いので、スタッフ離れ・患者離れにつながる可能性もあります。

――キャッシュフローの観点からみて、新規開業と継承開業とではどのような違いがありますか。

鎌形 開業後のキャッシュの変動を見ると、新規はどうしても最初に赤字期間があります。一方、継承だと最初から黒字というケースもあるので、メンタル面でも心強いですし、スピーディーに事業を展開できる強みがあると言えます。

――新規開業と継承開業の場合、初期コストはどのくらい変わってくるのでしょうか。

鎌形 新規開業の場合、初期コストは約1億円を目安にするといいでしょう。

大規模な継承開業では、新規開業と同等のコストがかかると言われています。内訳として「のれん代(営業権代)」の比重が高くなりますが、早期に償却できるのでキャッシュの確保につながります。しかし、建築や内装にコストをかけた場合、償却期間が長くなるため、キャッシュの確保に苦労することもあります。このようなファイナンスの基本ロジックは、開業前に押さえておくと役に立ちます。

小規模の継承開業であれば、初期コストはかなり抑えることができるため「ミニマムで継承開業」も一つの選択肢として有効でしょう。

開業ポイントセミナー資料_初期コスト比較

―― 新規開業を目指す場合、リスクを少しでも抑えるためにできることはありますか。

鎌形 新規開業も非常に魅力的ですが、特に都会においてはある程度の勝ち筋を見つけておくことが重要です。例えば、甲状腺内科や肛門外科、在宅診療などの専門性を武器にするのも一つの方法でしょう。

BtoBでの紹介が期待できるのであれば、近隣の基幹病院との連携、あるいは小手術や手技に特化するのも良いかもしれません。

――他にはどのような開業形態がおすすめでしょうか。

鎌形 若い医師であればミニマム開業も魅力的ですね。精神科や在宅医療は実現しやすいですし、夜間や休日だけ対応している医院も増えています。

オンライン診療に関しては今のところ成功している事例は少ないですが、うまくDXを取り込んで省人化し、極限までコストを下げるのも一つの方法です。

開業ポイントセミナー資料_新規開業向きな属性・手法

売上を最大化する「攻め」と失敗を回避する「守り」の戦略

――開業後はどのような点に注意すればよいのでしょうか。

鎌形 重要なのは「攻め」と「守り」のバランスです。

まず「攻め」とは売上をどのように伸ばしていくかを指します。「新患×再診率×単価」の結果が売上につながります。新患獲得の入口としては、ホームページやSNS、Google対策、広告、リアルでのクチコミが重要です。

リアルでのクチコミは再診率にも関係します。丁寧な診療と良質な体験の提供はクチコミを呼び、再診率アップにもつながります。また再診率を最大化するためのCRM、患者とどのような関係を築いていくか考慮することも必要です。

開業ポイントセミナー資料_経営の数式

――保険診療の場合、単価を上げるのはなかなか難しそうです。

鎌形 そこは自由診療とのクロスセルやアップセルで補います。例えば、保険診療のついでにワクチンを打つ、シミ取りクリームを一緒に売るといったことですね。

また適切な検査体制も単価に影響します。例えば「3ヶ月から半年ごとに検査が必要」と考えるのであれば「丁寧に見ておきましょう」と3ヶ月おきの検査を提案できるかもしれません。

――診療に付加価値を持たせるのですね。

鎌形 超音波検査機器は安価なものであれば300万円ほどで買えるので、院内で検査を実施できるような投資をしておくことも重要です。ただし、院内検査は盛り込みすぎると赤字になるため、戦略的なマーケティング視点が求められます。

――新規開業時のマーケティングとして、まずすべきことはどういったことがありますか。

鎌形 開業時にメインとなる患者の「ペルソナ」を数パターン用意し、その人たちが他のクリニックではなく、自分のクリニックに来てくれる理由を考えます。

患者の抱えている課題に対し、自分が提供できる価値を洗い出すわけです。そして提供できる価値を患者に対してどのように伝えるかを考えるのが、マーケティングの基本的な進め方になります。

――ペルソナと提供価値を洗い出せた後の動き方も教えてください。

鎌形 SNS時代のマーケティングに「AISAS」という手法があります。「注意(Attention)」を引いてクリニックの存在を知ってもらい、次に「興味(Interest)」を持ってもらう。興味を持った患者はGoogleやSNSで「検索(Search)」し、予約・受診といった「行動(Action)」に移します。そこでの体験が良いものであれば、再診だけでなくSNSやクチコミで体験を「共有(Share)」してくれます。

ここまでの一連の流れを設計することが、今の時代においては必要です。

開業ポイントセミナー資料_マーケティングAIDMAからAISASへ

――具体的にどのような施策が必要でしょうか。

鎌形 まずは自院のWebサイトを用意し、SEO対策・MEO対策を施します。初動が重要なので即効性の高いリスティング広告を打つのもよいでしょう。

また地域連携や医師会などのネットワークづくりや、クチコミへの導線づくりなどをしておくと、マーケティングの成功率を高めることができます。

開業ポイントセミナー資料_マーケティング施策

クリニック集患のマーケティング手法、SEO・MEOに関しては
以下の記事でも解説しています。ぜひ参考にしてください。

――開業後の「攻め」についてご説明いただきましたが「守り」はどのようなものでしょうか。

鎌形 「守り」の要素で重要なのがお金の管理です。BS(貸借対照表)とPL(損益計算書)のような財務諸表の基本だけでなく、キャッシュフローも押さえておきます。

また事業を拡大していく場合には、気づかないうちにコストが拡大していることもあるので、コスト管理も重要です。患者の動きや毎月の保険請求など、ある程度の「見える化」をしておく努力が求められます。

――他に押さえておくべき「守り」の要素はありますか。

鎌形 新患率や再診率、自由診療比率、疾患構成、受診経路といったものを「KPI」として定期的に確認することも必要です。広告運用をする場合は「LTV」や「ROI」なども押さえておきたいですね。

これらの「攻め」と「守り」をうまく使い、3~5年で営業利益が4000万円を超えるところまで持っていくのが一つの目安となります。

――「攻め」と「守り」以外に気をつけるポイントはありますか。

鎌形 大きな失敗を避けることも重要です。例えば過剰な初期投資と返済金額の増大を招く「重装開業」や、モンスタースタッフ採用による他スタッフの離職などのほか、DXの失敗や立地の悪さ、強い競合の存在、仕入れの失敗、無理な開院スケジュール、無理な診療時間設定による体調不良などは避けるよう注意しましょう。

開業ポイントセミナー資料_失敗パターン

開業には「医療と経営」を両立させる視点が必要

――昨今は深刻な人手不足が続いていますが、採用においてはどのような点に注意が必要でしょうか。

鎌形 クリニックの院長は行政処理や地域連携など、診療外のタスクが膨大になりがちです。すべてを院長一人が背負うのではなく、できるだけタスクを分散する必要があります。

また一般的企業に比べ、クリニックは看護師や事務員が個人業務に集中してしまうことが多いので、組織化するのが非常に難しい事業です。

最初は院長と看護師、事務員数人のフラットな組織でも回せますが、事業を拡大するとそれも難しくなります。将来的にどのような組織を作りたいのかを、早い段階で計画しておき、必要に応じてDXを進めていくことが必要です。

――採用を強化するためのポイントはありますか。

鎌形 自社のWebサイトやSNSを使って、福利厚生や退職金制度、有給休暇の取りやすさなどをアピールすると同時に、リファラルを活用するとよいでしょう。

また採用後も、こまめに面談をして、不平不満を早期鎮火することも離職を防ぐ上では重要です。

採用に関しては以下の記事でも解説しています。ぜひ合わせて参考にしてください。

――業務効率化の面でポイントはありますか。

鎌形 DXはうまくいかないケースもあると言いましたが、電子カルテやPACSといった基本的なDXは必要です。これから導入するのであれば、中長期的に見てもクラウド型のシステム導入をおすすめします。

クリニック開業時に検討したい!クラウドシステムに関しては
以下の記事でも解説しています。ぜひ合わせて参考にしてください。

――最低限のDXは取り入れておきたいということですね。

鎌形 自動精算機はなくてもよいですが、不正防止や会計ミスを防げるので、あると便利かもしれません。ただし、今はキャッシュレスの時代になってきているので、キャッシュレス決済の仕組みを用意しておくだけでも十分です。

経営分析ツールを導入していない医師は多いですが、一定以上の規模がある医院では必須のツールです。データに基づいて自分自身の経営判断をすることは、競争が激しくなればなるほど重要になってきます。DXは効率化の視点で語られることが多いですが、戦略やマーケティング、人事などにも貢献するので、状況に応じて適切なDXをすることが必要です。

――最後にメッセージをお願いします。

鎌形 開業前の医師には「医療と経営の両立」を意識していただきたいと思います。医師としての使命は重要ですが、一方で経営者になったからには職員の雇用を守り、患者への責任を果たす必要がありますから、適正な利益確保も必要です。

経営を置き去りにしてはいけないということを十分にご理解いただき、その上で「本当に開業をしたいのか」を考えていただくのが第一歩だと思います。

――開業には経営視点を持つことが大事だということですね。ありがとうございました。

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開業にまつわるお役立ち記事は、以下でも解説しています。ぜひ参考にしてください。

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執筆者:エムネス マーケティングチーム
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