地域医療連携の現状独自調査_サムネイル

地域医療連携の現状を独自調査|実施率85.5%の一方、アナログ媒体利用が23.6%と現場の医療DXはまだ過渡期

調査実施の背景

2024年度の制度改定とともに標準型電子カルテ、電子カルテ情報共有サービス、オンライン資格確認の普及など本格化した医療DX。取り組みが本格化する一方、医療機関によっては実装・運用状況にばらつきが生じているなどまだまだ課題が残る状況です。

本調査では、実装状況や情報共有手段など地域医療連携が医療現場にどこまで定着しているかを可視化することを目的とし、当社独自の調査を実施するに至りました。

【調査サマリー】地域医療連携に関する実態調査

  • 地域医療連携の実施率は全体の85.5%と高水準。特にクリニックの実施率は、91.7%にのぼりました
  • 一方、具体的な利用システムやサービスについては「わからない・答えられない」が最多の29.9%でした
  • CD-ROM・USBなどのアナログな物理媒体での情報共有も23.6%となりました
  • 地域医療連携の課題は、医療規模によって分散し、単一解決が困難であることが明らかになりました
  • 最優先で取り組みたい項目も「わからない・答えられない」が最多の回答となり、方向性が定まっていないことがわかりました

調査概要

調査期間

2025年11月18日〜2025年11月20日

調査対象

全国の20歳以上の医療関係者の男女

サンプル数

330名

調査方法

インターネット調査

調査機関

株式会社ジャストシステム(fastask)

【回答者の詳細】

地域医療連携の現状独自調査_属性

調査結果

地域医療連携の実施状況は、クリニックが「すでに実施」の回答が最も高く91.7%・中規模病院では実施割合が一番低い80.3%

地域医療連携の現状独自調査_勤め先での現況と体制

勤め先の医療機関での地域医療連携の現況を質問したところ、全体では85.5%がすでに地域医療連携を実施済みと回答しました。さらに、地域医療連携を推進するための体制について最も当てはまるものをあわせて質問したところ、約半数が専任の部署や担当者が自施設内にいると回答する結果となりました。

なお、勤務先形態別の結果を確認したところ、クリニックでは、91.7%と最も高い一方、中小病院(200床未満)は81.5%、中規模病院(201〜499床)は80.3%にとどまりました。

地域医療連携の現状独自調査_勤先別の地域医療連携の実施状況

地域医療連携や情報連携のために利用しているシステムやサービスは「わからない・答えられない」が最多回答29.9%と、現場レベルでシステム運用を十分に把握できていないケースが目立つ結果に。次いでCD-ROMやUSBなどのアナログ媒体の利用が23.6%

地域医療連携の現状独自調査_利用システムやサービス

地域医療連携や情報共有のために現在利用しているシステムやサービスについて質問したところ上の表の通りとなりました。「わからない・答えられない」が最多の29.9%となり、現場レベルでシステム運用を十分に把握できていない実態が示されました。

また、前問にて地域医療連携が実施されているとの回答が多かったが、実運用としてはアナログ運用が根強く残っていることが明らかになりました。

なお、勤務先形態別に集計したところ以下の通りの結果となり、医療機関の規模が小さくなるにつれCD-ROM・USBなどの物理媒体のアナログ共有が根強く残っていることがみてとれます。

クリニック
中小病院(〜200床)
※同傾向のためまとめて記載

第1位 CD-ROM・USBなどの物理媒体

第2位 クラウド型電子カルテ

中規模病院

(201〜499床)

第1位 クラウド型電子カルテ

第2位 CD-ROM・USBなどの物理媒体 / 紹介・逆紹介ポータル・地域連携ポータル が同率

大病院

(500床以上)

第1位 オンプレミス型電子カルテ / 紹介・逆紹介ポータル・地域連携ポータルが同率

第2位 医療情報連携基盤

なお、同質問を通し、大規模病院(500床以上)を除く医療機関では、クラウド型電子カルテの導入が進んでいることも明らかになりました。

  • クリニック :オンプレミス型電子カルテ 18.3%・クラウド型電子カルテ 19.2%
  • 中小病院  :オンプレミス型電子カルテ 18.8%・クラウド型電子カルテ 20.0%
  • 中規模病院 :オンプレミス型電子カルテ 19.6%・クラウド型電子カルテ 28.6%
  • 大規模病院 :オンプレミス型電子カルテ 28.0%・クラウド型電子カルテ 16.0%

地域医療連携における課題は医療機関の規模別に分散。単一的な解決策では対処できない構造か

地域医療連携における課題について質問したところ、医療機関の規模によって回答にバラつきが見受けられました。勤務先形態別にまとめた結果は以下の通りです。

クリニック

第1位 特にない

第2位 セキュリティや権限管理

中小病院

(〜200床)

第1位 人的リソースの不足

第2位 連携先のインフラ・ネットワークの未整備

中規模病院
(201〜499床)

第1位 連携先のインフラ・ネットワークの未整備

第2位 連携先とのシステム非互換・仕様の違い

大病院
(500床以上)

第1位 セキュリティや権限管理

第2位 連携先のインフラ・ネットワークの未整備

最優先で取り組みたい項目を質問したところ「わからない・答えられない」が医療機関の規模にかかわらず最多。多くの医療機関で方向性を探っている結果に

地域医療連携を推進するにあたり最優先で取り組みたい項目を質問したところ、どの医療機関においても「わからない・答えられない」が最多の回答となり、方向性に不明瞭になっている層が多くいることが確認できました。

なお、各医療機関において次に多かった項目は、ほぼ前問の課題と一致する結果となりました。

クリニック

自施設のインフラ・ネットワークの未整備

中小病院
(〜200床)

人的リソースの不足

中規模病院
(201〜499床)

セキュリティや権限管理

大規模病院
(500床以上)

連携先とのシステム非互換・仕様の違い

本調査からの考察

本調査により、多くの医療機関にて地域医療連携が実施していることが明らかになった一方、利用しているシステムやサービスを問う質問では、どの医療機関からも「わからない・答えられない」が最多回答となり、現場レベルで地域医療連携の運用実態を把握されていないことがみて取れる結果となりました。

また、いずれの医療機関もCD-ROM・USBなどの物理媒体の利用の票数も多く、アナログ運用からまだまだ抜け出せない現状を感じられる一方、大規模病院を除く医療機関ではオンプレミス型電子カルテよりもクラウド型電子カルテの回答数の方が多い結果だったことも印象的でした。

また、医療機関の規模によって課題や優先事項が大きく分散しており、医療DXを実装するには単一アプローチではなく、現場の実情に合わせた個別最適のアプローチが不可欠だと言えます。

クラウド型医療情報管理共有システム「LOOKREC」について

LOOKRECとは、CTやMRI等の検査装置から撮影された医用画像をクラウド上にアップロードし、医療機関、医療従事者がリアルタイムに画像を管理・共有できるプラットフォームサービスです。クラウドへの保存容量に制限がないため機器の増設は不要で、また、物理的なサーバを持たないためソフトウェアの追加購入、メンテナンスも不要です。インターネット接続端末があればどこでも安全に利用することができるため、経済的かつ簡単に導入することが可能です。

画像をリアルタイムで共有できる特性を活かし、スムーズな治療開始や遠隔画像診断にも活用することが可能です。(以下イメージ図 参照)

地域医療連携におけるLOOKREC使用例

LOOKRECを活用した地域医療連携の事例は以下よりご確認いただけます。ぜひ参考になさってください。

【バナー】地域医療連携導入事例資料ダウンロード

なお、地域医療連携に関することは、以下の記事も参考にしていただけます。

執筆者:エムネス マーケティングチーム
執筆者:エムネス マーケティングチーム
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