3Dビューアの導入で医療現場はどう変わる?メリットやワークステーションがなくてもできることを解説【セミナーレポート】

【セミナーサムネイル】3Dビューアの導入で医療現場はどう変わる?メリットやワークステーションがなくてもできることを解説


CTやMRIの3D画像は、臨床現場では30年ほど使われているものの、3Dビューアはまだまだ普及していないのが現状です。その理由として、専門的なワークステーションが高額であることや、画像処理の専門知識が必要であることなどが挙げられます。

LOOKRECの3Dビューアは、特別なソフトウェアは不要でブラウザ上で操作が可能です。3D処理もブラウザ側で行うため、クラウドへの通信は発生しません。

本記事では、エムネスの創立者である北村と、LOOKRECの開発に携わっている木原から3Dビューアの基本的な使い方から、実際の症例、将来的な展望まで幅広くカバーした内容となっています。3Dビューアの導入を検討されている方はぜひ最後までお読みください。

登壇者プロフィール_北村さん(エムネス取締役副会長ファウンダー/霞クリニック院長)

登壇者プロフィール_木原さん(エムネス シニアプロダクトマネージャー)

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目次[非表示]

  1. 1.3Dビューアを医療現場で活用するメリット
  2. 2.3Dビューアの普及が進まない理由
  3. 3.LOOKREC 3Dビューアの特徴
    1. 3.1.特徴1. 特別のソフトやワークステーションが不要
    2. 3.2.特徴2. クラウド通信なしで動作する3D処理
  4. 4.LOOKRECの3Dビューアの機能
  5. 5.LOOKRECの3Dビューアの将来的な展望

3Dビューアを医療現場で活用するメリット

━━ 放射線診断専門医である北村先生が考える、3Dビューアのメリットを教えてください。

北村先生(以下、北村) 3Dビューアを使う最大のメリット は、

  • 視覚的に位置情報を把握しやすい
  • 病気がある場合に直感的に分かりやすい

この2点が挙げられます。私自身、日常の臨床でもこの機能を活用しています。
また、3D画像は直感的に病変を捉えやすく、特に患者さんへの説明では大きな強みになります。

CTやMRIの3D画像は、臨床現場に登場して約30年ほど経つかと思います。当時、某大手のワークステーションがバージョン1.1.1で導入され、研修医だった私が担当となり、診療終了後に骨のCT画像を3Dにするのに1〜2時間かけて作成していたのを思い出します。

患者さんにとっても直感的に病変を捉えやすいというメリットのある3Dビューアですが、あれから約30年が経った今の臨床現場で、開業医の先生方が患者さんに3D画像を見せながら説明をしているケースは少ないように感じます。


━━ なるほど。確かに自身の経験を振り返っても、3D画像で診断結果をみせてもらうケースはないように思います。

北村 限られた診察時間のなかで一般の患者さんへの説明時に輪切りの2D画像を理解してもらうのは難しいですね。

私自身、エムネスを創業し、広島大学病院の近くでCT・MRIを備えた検査センターを運営しています。これまで、CT画像を2Dの断面画像で説明するのに苦労してきました。

従来は患者さんに断面画像を説明するときは人体模型を使ったり、自分の体を回転させながら説明し、少しでも患者さんに立体的に捉えてもらえる工夫をしていました。それだけでも相当な説明時間を取られて大変でしたね。


━━ 確かに患者自身が断面画像から自分の身体を立体的に理解するのは難しいですね...

北村 そうなんです。先ほどもお伝えしましたが、3D画像の最大のメリットは、「一目で直感的に理解できること」です。患者さんへの説明に3Dビューアを使えば「パッと見てすぐに理解できる」ため、説明の手間が大幅に軽減されます。

また、LOOKRECの3Dビューアは寝台(台の部分)が映り込んでいる場合は、簡単な操作で削除ができ、必要最低限の画像のみにすることが可能です。さらに、少し操作を加えるとワークステーションを使用せずとも、ブラウザ上で簡単なVR画像の生成も可能で、より患者さんに分かりやすい形で表示できます。

3Dビューアの普及が進まない理由

━━ メリットが大きいにも関わらず、3Dビューアはなぜ普及しないのでしょうか?

北村 3D画像が臨床現場に浸透しない理由は、以下のことが挙げられます。

  • 専門的なワークステーションが高額で、開業医レベルでは購入しづらい
  • 画像処理には専門知識が必要で、すべての臨床医が画像処理が得意とは限らない
  • 大病院では専門の技師が3D画像を作成するが、開業医にはそういった環境がない

こうした課題をいかに解決するかは、弊社LOOKRECを開発する際に常に念頭に置いてきました。


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LOOKREC 3Dビューアの特徴

━━ 開発に携わっている木原さんから、LOOKRECの3Dビューアの特徴の詳細をご紹介お願いします。
木原氏(以下、木原) 
LOOKRECの3Dビューアの特徴として、代表的な特徴を2つご紹介します。

  1. 特別のソフトやワークステーションが不要
  2. クラウド通信なしで動作する3D処理

それぞれもう少し詳しく解説します。

特徴1. 特別のソフトやワークステーションが不要

木原 まず、LOOKRECの3Dビューアの大きな特徴のひとつは、特別なソフトウェアやワークステーションが不要な点です。

弊社の3Dビューアはブラウザ上ですべての動作が可能なため、新しいパソコンを購入したり、専用のソフトウェアのインストールが不要です。また、特定のOSの制限はなく、WindowsでもMacでも動作可能です。

特徴2. クラウド通信なしで動作する3D処理

木原 2点目はクラウド通信なしで3D処理が動作する点です。

弊社のビューアは3Dの処理もブラウザ側で行う仕組みになっているため、一度画像が表示された後はクラウドへの通信が一切発生しません。「回線速度が遅いと、画像がうまく表示されないのでは?」と心配されるかもしれませんが、弊社のビューアではその心配は不要です。

パソコンの性能には多少依存しますが、5年以内に購入した最新のパソコンであればノートパソコンでも問題なく動作します。ただし、15年以上前のパソコンでは、さすがに厳しい場合がありますが、弊社の3Dビューアを導入いただいている病院様からも「PCのスペック不足で動作しない」という報告は受けておりません。

PCの処理が追いつかないときに一時的に解像度を下げ、スムーズな操作感を保つ「自動画質調整機能」もあり、一般的なパソコン環境で快適に使用できる設計となっておりますのでご安心ください。

LOOKRECの3Dビューアの機能

━━ 続いて、LOOKRECの3Dビューアの機能や操作感についてもお聞きしたいです。

木原 LOOKREC2D、3D表示に加え、MPR(多断面再構成)表示も可能ですが、デフォルト設定は、3D画像での表示、かつ2Dと3Dがリンクしている状態になっています。

お好みの角度や表示方法(3D、MPR)のプリセットを作成でき、LOOKRECを立ち上げた際にカスタマイズされた状態で初期表示させることが可能です。

意外と難しい3D画像の回転はマウス操作だけでなく、右下のオリエンテーションの矢印を使うことで簡単に回転することができます。

3Dビューア機能説明(オリエンテーション)


VOIカット/キューブビュー機能」では、2D画像をトリミングすることで連動させて3D画像に映り込む部分を反映させたり、必要な部分をキューブカットして絞り込んで表示することが可能です。

3Dビューア機能_VOIカット/キューブビュー機能


スライス上にマークを描くとリストが自動生成され、リストをクリックするとマークを描いた対応スライスまですぐに移動できる「マーカー機能」も便利な機能の一つです。

3Dビューア機能_マーカー機能


2D画像で表示されているスライスが3D画像の断面にも反映される「スライスライン機能」も患者さんへの説明時にどの部分を輪切りにしているかがわかりやすくなります。
表示方法は「ワイヤーフレームの状態」か「スライス画像」かの2つのモードから選択できます。特にMPR(多断面再構成)でこの機能が便利にお使いいただけると思います。

3Dビューア機能_スライスライン


血管内視鏡機能」や「気管支鏡機能」を利用すれば、血管内の石灰化や、気管内の痰の詰まりや腫瘍の浸潤を可視化できるため、診断の補助に活用できます。ワークステーションを使わずともブラウザ上で簡単なVR画像で確認できます。

3Dビューア機能_血管内視鏡機能/気管支鏡機能

LOOKRECの3Dビューアの将来的な展望

━━ 最後に、LOOKRECの3Dビューアの将来的な展望についてもお伺いしたいです。

木原 現在の製品には搭載されていませんが、将来的な展望として、AIを活用した機能についてご紹介します。

近年、AI技術の発展により、画像認識の精度が向上し、医療画像の分野でも自動診断や手術支援 など、さまざまな分野でAIの活用が進んでいます。

当社の3Dビューアにも、AIを活用した機能の実装を検討中で、CT画像をAIで解析し、臓器を自動認識する機能を開発しています。

現在、データをアップロードすると、クラウド上で前処理が行われ、肝臓や膵臓(すいぞう)などの主要な臓器が自動認識されたり、気管支や肺の構造が正確に表示されるといった処理が可能になっています。

さらに、2D画像上でも臓器の認識結果を重ねて表示する、100以上の臓器を自動識別し、名称と体積を表示するといった高度な機能も今後の開発の視野に入れています。
例えば、肋骨の番号や椎骨(背骨)の番号を自動認識して表示することで、診断時の負担を軽減できるのではと考えています。


━━ AIを活用した機能が搭載されることでますます便利になりそうですね。日本の臨床現場でも医療従事者、患者ともにメリットが多い3Dビューアが浸透される日がくるのが楽しみです。本日はありがとうございました!




本セミナーは、以下よりアーカイブにて視聴いただくことが可能です。
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また、AI画像診断に関しては、以下の記事でも詳しく解説しております。ご興味のある方はぜひ参考にしてください。

  AI画像診断のメリット・デメリットを解説!医療現場での活用事例や今後の課題も紹介 農業や製造業など、近年さまざまな分野においてAI(人工知能)の応用が進んでおり、医療業界もその例外ではありません。 AIによって医療の質の向上を目指す取り組みを医療AIと呼び、診断や治療計画の立案・新薬の開発・介護など、医療におけるさまざまなシーンで利用され始めています。 特に画像診断の領域ではAIの活用が進んでおり、2016年には病理所見から病理医とAIが乳がん転移の判別を競うコンテストにおいて、AIは病理医を大幅に上回る成績を上げ、話題になりました。 AIの活用は医師の業務負担軽減や地域間格差の是正など、さまざまなメリットが期待される一方で、信頼性や法整備など、さまざまなデメリット・課題も少なくありません。 そこで、この記事では画像診断AIのメリットやデメリット・課題、実際の活用事例などを紹介します。この記事を読むことで、画像診断AIについて理解でき、有効活用するためのリテラシーを得られるでしょう。 株式会社エムネス



執筆者:エムネス マーケティングチーム
執筆者:エムネス マーケティングチーム
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