病診連携とは?メリットや課題、仕組みを解説!システム化で医療情報の共有をスムーズに

【サムネイル】病診連携をスムーズに行うには?システム化で医療情報の共有をスムーズに

皆さんは病診連携という言葉をご存知でしょうか。

病診連携とは大きな病院と診療所が、質の高い医療を患者さんに提供するために相互に協力しあうことを言います。医療がますます専門化する現代において、専門家間の連携がこれまで以上に重要になっています。

そこで、今回の記事では、病診連携とは何なのか、そのメリットや課題について徹底的に解説します。

病診連携を新たにしたい、またはすでに取り入れているけど情報共有をもっとスムーズにする方法を知りたい方は是非お読みください。


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監修者情報:島村泰輝(放射線診断専門医)


目次[非表示]

  1. 1.病診連携とは?仕組みや流れについて
    1. 1.1.病診連携の具体的な仕組みや流れ
    2. 1.2.病病連携・地域医療連携との違い
  2. 2.病診連携のメリットは?
    1. 2.1.患者側のメリット
      1. 2.1.1.① 質の高い医療を受けられ、安心感が得られる
      2. 2.1.2.② 待ち時間を短縮し、治療をより早く受けられる
    2. 2.2.病院や診療所側のメリット
      1. 2.2.1.① コミュニケーション不足による医療ミスを減らすことができる
      2. 2.2.2.② 非効率性を見直して、医療費を削減できる
      3. 2.2.3.③ より専門性の高い医療が提供できる
      4. 2.2.4.④スタッフの関係と仕事の満足度を向上できる
  3. 3.病診連携の問題点や課題、デメリット
    1. 3.1.① 医療情報共有の手間やタイムラグがある
    2. 3.2.② 紹介元や紹介先の病院情報が不透明な場合がある
    3. 3.3.③ 人的ミスや人員不足がある
  4. 4.LOOKRECは未来の病診連携の形。その特徴は?
    1. 4.1.特徴1. リアルタイムかつ容易にデータを送れる
    2. 4.2.特徴2. 人的ミスや人員不足を解消できる
    3. 4.3.特徴3. データを安全に保管できる
  5. 5.まとめ


病診連携とは?仕組みや流れについて

医療DXで病診連携

病診連携とは、患者さんのために病院や診療所などが連絡を取り合い、それぞれの役割に応じて連携して適切な医療を提供することです。
この病診連携には、看護師や医師などの専門職間のデータ共有と効率的なコミュニケーションなどを含みます。
診療に携わるチームのメンバー全員が患者と関わり合う必要があり、医師はリーダーとして患者のためにより良い治療を提供するために病診連携を行う必要があります。

病診連携の具体的な仕組みや流れ

では、具体的な仕組みについて見ていきましょう。

病診連携は、より適切な医療を患者さんに提供するために病院と診療所がそれぞれの役割を生かして紹介する仕組みのことですが、以下のように病院と診療所などの医療機関が相互作用し合って助け合います。

  • 診療所から大きな病院へ
  • 大きな病院から診療所へ


診療所は、設備や費用の観点からできる検査や治療内容も限られてきます。

そこで、より詳しい検査や専門的な治療が必要な場合は、大学病院などの大きな医療機関へ紹介することで、不可能な治療も可能になります。

逆に、治療や検査後、診療所での通院治療で対応できるまで病状が安定した場合、診療所へ引継ぐことでその後のフォローアップをお願いし、紹介先病院の負担を減らせます。

このように、医療機関同士がそれぞれの利点を活かして欠点を補うことで、提供できる医療の質を高めることが目的です。

病病連携・地域医療連携との違い

病診連携と似た言葉に、「病病連携」「地域医療連携」があります。

少子高齢化の進む日本において、近い将来医療や介護、看護や福祉の分野において需給の逼迫が予想されます。医療機関同士が連携していくことが大切になるのは前述のとおりです。

「病」院と「診」療所が連携することを「病診連携」、「病」院と「病」院が連携することを「病病連携」といいます。

また、地域の医療状況に応じて、医療資源を適切な分配を図ることを「地域医療連携」といいます。


  地域医療連携とは?その課題と解決策を徹底解説! 高齢化が進む現代の日本において、限られた医療資源をいかに効率よく供給できるかが日々問われています。 その解決策の1つとして、地域医療連携が非常に重要になってきます。 今回の記事では、地域医療連携のメリットや必要性、現状抱えている課題を解説します。また、課題に対する解決策もご紹介しますので、是非参考にしてみてください。 株式会社エムネス


病診連携のメリットは?

メリット

では病診連携するメリットは具体的にどこにあるのでしょうか。病診連携のメリットについて患者側・病院側に分けて説明したいと思います。

患者側のメリット

先ず患者側のメリットとしては、医療に対する安心感が得られる点や待ち時間を短縮できる点などがあります。

① 質の高い医療を受けられ、安心感が得られる

先ず第一に複数の病院間で情報共有が行われるため、患者さんは、より質の高い診断や治療が受けられる点です。

  「複数の医療機関で診断、治療を受けられるなら安心。」

このように1つの医療機関よりも複数にわたって医療を受けられる方が患者さんも安心するでしょう。

これは、患者さんの安心感にもつながります。

② 待ち時間を短縮し、治療をより早く受けられる

病院で多くの患者は医師の診察を待ち、医師は診察が終わると、放射線科が検査結果を返送するのを待つ必要がある場合もあり、少なからず患者さんに待ち時間が生まれます。

このような診察の遅れは、患者をイライラさせるだけでなく、治療のための貴重な時間を浪費し、患者さんの状態を悪化させる可能性が高まります。

病診連携する場合、紹介先病院へ予約も行うため、患者さんはわざわざ自分で予約する手間も省けます。

病院や診療所側のメリット

病院側のメリットとしては、医療ミスの削減や医療費の削減、満足度の向上などがあります。それぞれ詳しく説明していきましょう。

① コミュニケーション不足による医療ミスを減らすことができる

複数の医療職間でのコミュニケーションのギャップが、症状の見落としから誤診、投薬ミスに至るまで、医療ミスをもたらします。病診連携にあたって、専門職間の連携を行うことで患者を安全に治療するために必要なあらゆる情報を確実に入手できます。

研究によると(※)、医療における専門職間の協力は、予防可能な副作用の減少や、死亡率の低下、投薬量の最適化に役立つことがわかっています。

(※Wheelan SA、Burchill BN、Tilin F. 集中治療室におけるチームワークと患者の転帰との関連。Am J Crit Care 2003; 12 :527-34)

こうした流れで医療ミスを削減することが可能です。

② 非効率性を見直して、医療費を削減できる

医療における専門職間の連携は、投薬ミスの防止、患者の転帰の改善に役立ちます。これらはすべて病院の費用削減につながります。また、運用の非効率性を見直して強化することで、病院が費用を節約するのにも役立ちます。

ある病院では、看護師と医師の間の専門職間の連携を改善することで、転院率が半減し平均入院日数が 0.6 日短縮されたとの報告もあります。

③ より専門性の高い医療が提供できる

診療所は大きな病院と連携することでできなかった治療が可能になります。例えば、大学病院などの大きな医療機関に紹介することでCT やMRI検査などより詳しい検査が可能になります。

また、診断を共有することでより治療方針などを変更したり改善できます。

④スタッフの関係と仕事の満足度を向上できる

専門職間で連携することは、医師中心の医療ではなく、それぞれのスタッフに公平な場を提供し、誰もがチームで重要な役割を果たしていることを認識できます。

このコミュニティ意識と仲間意識は、スタッフの定着率と採用率を高めることにも繋がります

病診連携の問題点や課題、デメリット

メリットvsデメリット

では、現在の問題点や課題はどこにあるのでしょうか?
主に以下のようなデメリットが感じられます。

① 医療情報共有の手間やタイムラグがある

最も考えられるデメリットが、情報共有する上でのタイムラグです。

診療情報の提供は紙媒体で行う機関がほとんどです。診療情報を紹介先へ送るのには手間と時間を要し、少なくとも、数十分から数時間はかかってしまいます。

また、現在は紹介先への手紙を印刷して送る機関が多くなっていますが、紙に手書きで行う場合は、文字が読みにくいと適切な情報を取れず不足した情報を再度紹介元の病院に確認する手間なども発生してしまいます。

② 紹介元や紹介先の病院情報が不透明な場合がある

そもそも紹介先の病院にどのような専門性があり、どれくらい信頼できるのか不明な点もあります。

「どのくらい検査、治療されているのかわからない」

「紹介先の病院がフォローに必要な医療機器が揃っているかわからない」

このように、診断の不確実さなど情報の不十分さがあると、円滑に治療を進めることが難しくなります。

また、紹介先の病院でどの程度の設備が整っており、どこまで治療ができるのか情報が不十分でわからない場合もあります。

③ 人的ミスや人員不足がある

作成者による情報の記載ミスや送り先の書き間違えなどの人的ミスも起こり得ます。また、データの紛失や盗難なども起こりやすくなります。

さらに新しい提携先などを見つける際は、連携業務を行うための担当の業務が必要であり、人員が不足しがちです。

この連携業務の人員不足により、本来提供できる医療も提供できなくなる可能性もあります。

LOOKRECは未来の病診連携の形。その特徴は?

画像検査のイメージ

往来の病診連携の解決策として誕生したのが、LOOKRECというシステムです。

LOOKRECはGoogleクラウドに構築されたシステムであり、さまざまな医療機関から送られてきた医用画像をまとめて一元管理できます。LOOKRECには、以下のようなメリットがあります。

特徴1. リアルタイムかつ容易にデータを送れる

LOKRECの強みとして、インターネット接続のみで使え、いつでもどこでも使える点です。

紹介元機関は、撮影した検査画像をLOOKRECにアップロードすることで、紹介先病院で簡単に閲覧できます。診療情報提供書などの手紙を作成し、郵送する手間が省けます。

これによって、専門医による治療方針や診断などが迅速に行え、患者の待ち時間の短縮などにつながります。

特徴2. 人的ミスや人員不足を解消できる

LOOKRECでは、データの受け渡しはクラウド上で完結するため、患者さんの情報データの紛失や盗難リスクもなく安全に連携が行えます。

また、クラウド上で記載するため、転記ミスも防げるため、医療事故の減少につながります。さらに、同じクラウド上で情報を直接やり取りするため、連携に必要な人員は必要ありません

特徴3. データを安全に保管できる

最後は、データ管理についてですがLOOKRECはセキュリティ対策も万全です。「ISO 27017」などのセキュリティに関する数多くの国際規格に準拠しているGoogle Cloudのシステムを利用しています

  • 暗号化
  • 2段階認証

もちろん、アカウントごとにアクセス制限をかけれますし、ウイルス対策や不正ログイン対策も行っています。


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まとめ

​​​​​​​病診連携は患者さんが適切な医療を受けられることを目的としたシステムですが、今回説明したようにスムーズかつ正確な情報提供ができていない現状もあり、課題は浮き彫りとなっています。

そこで活躍するのが、LOOKRECです。

LOOKRECは、往来の病診連携システムの課題を改善し、患者さんは待ち時間のないより質の高い医療を得られ、病院側としても安全なデータ管理のもと適切な医療を提供できるというメリットが生まれます。

ぜひ、この機会に活用してみてください。
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記事監修:島村 泰輝(医師)
記事監修:島村 泰輝(医師)
画像診断専門医。2012年 名古屋市立大学 医学部卒業、2019年 名古屋市立大学大学院医学研究科卒業。放射線診断専門医。大学病院、地域の基幹病院勤務を経て2019年に株式会社エムネスに入職し、遠隔画像診断を行いながら、プロダクトのデザインを医師目線から行う。医学部生を中心とする学生団体MNiSTも監修している。

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