導入の背景 | 放射線技師対象の研究会がコロナでオンライン開催に |
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導入の決め手 | いつも症例検討会でやっているように回答者がアノテーションをつけられる。今までのプレゼンテーションツールにはない使い勝手の良さ |
導入後の効果 | 全国どこにいても症例検討会に参加できる |
■ 背景
放射線技師対象の研究会がコロナでオンライン開催に
東京Jr.胃会は放射線技師を対象とした研究会で、症例検討などを通して胃に関する撮影方法や病理を学んでいます。現在はコロナの影響で開催が難しくなってしまっていますが、コロナ前であれば年にだいたい2〜3回、300〜600人が会場に集まっていました。胃専門の指導員資格を持っている技師や医師からも協力講演という形で開催しています。
その中で必ずやるのが症例検討会で、健診医学会のように自分たちで症例を持ち寄って、司会者が「どこに異常があるでしょうか」と問いかけてみんなで回答します。最終的に医師が解答を発表したり、内視鏡画像や病理の所見と対比したりして、答え合わせをする、という流れです。
講習や講義を受けることはオンラインでできても、症例検討会になるとどうしてもリアルタイムなお互いの意見交換、ディスカッションができません。講義を聞いて終わってしまうのでは勉強にならないということで開催自体が中止や延期になっていました。手探り状態でパワーポイントに画像を貼り付けて発表するなどしていましたが、拡大も白黒反転もできず、静止画を自分のPCモニター上だけで見るのは細かい部分がわかりづらいのですよね。やはりオンラインは向かないといって、うちとしては一歩引いていたところがありました。
■ LOOKREC導入後の効果
今までのプレゼンテーションツールにはない使い勝手の良さ
2022年2月に開催された日本健診医学会総会において、web会議ツールとLOOKRECを使ってオンライン上での症例検討会を行い、開催地である仙台から離れた静岡県や九州地方からもパネリストが参加しました。
準備の点では、LOOKRECにDICOMファイルをそのままアップロードすればいいので簡単でした。内視鏡も病理、CTも一つの画面で見えるようになりますし、距離計測もできる。拡大したり色調の調節も可能です。微細な違いを拾っていくところが、症例検討の一番面白いところですから、ここがパワーポイントに貼った画像との大きな違いです。
上記の見え方の点以外には、いつも症例検討会でやっているように回答者がアノテーションをつけられることです。パワーポイントの症例検討会ではポインターで指して説明して次の回答者に移った時、さっき自分がどこを指していたか振り返ることができません。LOOKRECなら回答者ごとにアノテーションの色を変えて比べられますし、残せるところが便利でした。
症例検討会は画像があるからディスカッションできる
放射線技師は症例検討会をよくやっていて、Jr.胃会でも必ずそのコーナーがあります。症例検討だけで1~2時間とって、回答者にきちんと回答していただいてディスカッションをして、最終的にはこうだったねと話します。その工程を経て実力をつけていくという感じですね。1枚の画像に対して何人も集まって「大きさも広がりがここまでだと思う」「俺はここまでだと思う」など、ディスカッションするんです。
画像の情報量は非常に多くて、言葉では伝わらないものが、一枚絵があると全然違います。凸凹しているという言葉一つでも、どう凸凹しているのか画面に出てくるじゃないですか。言葉では言い表しにくい胃の模様、丸いものが何個もあったりとか、中がつるっとしているとか、そういうことが画像でわかるんです。
同時に、伝わる画像を撮ることが技師にとっては重要なスキルです。私たちとしては基準撮影法に則って撮影をして、画像診断医に病変をしっかり拾ってもらえることを目指しています。
その撮影方法の習得のためにはどうしたらいいのかということを、突き詰めていく勉強会です。撮影された画像は、経験の浅い人と専門技師の人では雲泥の差です。こういった会で熱心に勉強しているからこそそのレベルに到達するのだと思っています。
どこからでもリアルに近い症例検討会に参加できるのがメリット
画像表示の速さが回線速度に依存してしまうので、環境の悪い方だと遅くなってしまうのが懸念。院内サーバーから画像を見ている方にとっては少し心もとないかもしれません。ただ、それ以上の利点がどこからでもアクセスできることで、リアル開催だと開催地付近の方しか来られなかったのが、全国から入ってこれる。今回も静岡県や九州地方の方もいました。
全国どこにいても症例検討ができるので、そこが一番の魅力だと思います。
色々とお話しいただき、ありがとうございました!